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Lady of Lange

Lady of Lange

ピエモンテ州の土着品種の一つに、フレイザという葡萄があります。微発泡からフルボディまで多様に仕上げられ、ブレンドに使われることも多く、ピエモンテの庶民の食卓を昔から支えてきた歴史のある品種です。

イチゴなど赤いベリー系の可愛らしい香りに、フレッシュな酸味と繊細な口当たり。タンニンも柔らかく、人懐っこい飲みやすさが魅力のフレイザ。
今回はこのワインに纏わるストーリーを紹介したいと思います。

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時は1975年6月30日。イタリアの新聞紙イル・メッサジェロに、「La dama della Langa」というタイトルで、とある女性を紹介する記事が掲載されました。

レディー・オブ・ランゲ。それはまだワイン界が圧倒的に男社会だった時代に、ピエモンテ州ランゲ地域のバローロ村でワイナリーを経営し、自ら栽培・醸造したワインを市場に持ち込んだ女性パイオニアを取り上げたものでした。


女性はテルジーラ(Tersilla)・ドリアーニ女史。
4人兄弟の三女だった彼女は、3番目と言う意味を持つ名前の頭文字「Ter」を嫌い、自ら「Sylla(シーラ)」と名乗るような、なかなか意志の強い女性でした。

シーラはピエモンテの土着品種から多くのワインを造りましたが、中でも思い入れがあったのがバローロフレイザ
今でこそランゲと言えばバローロですが、80年代はフルーティーで軽やかなワインが世界的なトレンド。重たい長期熟成型は時代遅れとされ買い手がなかなかつかず、シーラはフレイザやドルチェットを沢山買ってくれた人達にバローロをプレゼントしていた程でした。

そんなフレイザが人気を博す中でも、シーラがバローロの復活を確信していた様子が記事には書かれています。「バローロを守るために何をすべきか?」という問いに対し、ネッビオーロを掲げ「単にこの葡萄を摘み取って絞るだけよ」という痛快な回答。

その後の事はよく知られているように、バローロ・ボーイズなど若手醸造家らによるワイン造りの改革を経て、90年代にバローロはイタリア最高級ワインの地位に返り咲きました。それに押されるように次第に人気が衰えていったのがフレイザ。今でも生産量は限られ、希少なワインとまで言われています。




そんな時代の先駆けだったシーラ・ドリアーニ女史は、1985年に若くして他界します。家の事情から彼女が造り上げたワイナリーを手放すこととなった時、シーラの志とその卓越した技術を自ら後世に残したいと立ち上がったのが、エノロジストとしてシーラと共にワイン造りに身を投じてきた息子のマウロ・セバステでした。

マウロは1991年に妻のマリアと共にワイナリー「マウロ・セバステ」を立ち上げると、シーラから受け継いだ伝統的な大樽熟成を守り、土壌と品種、そしてランゲの歴史に敬意を示す丁寧なワイン造りに励んでいます。




偉大な母を失ってから40年。世界的に認められるようになったマウロ・セバステのワインリストの中には、フラッグシップのバローロや質の高いドルチェットなどと並び、シーラが愛したフレイザがあります。ワインに捧げられた名はもちろん「Sylla」。パワフルに時代を先駆けたレディ・オブ・ランゲを表現したかのような活気のある微発泡は、やはり人を魅了する味わいです。

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