その軽快な語感からして、気さくでハッピーな印象を与えるランブルスコ。
軽やかな微炭酸。ほのかな甘み。アルコール度数も低めで、ワインが苦手な人でも試しやすい、飲みやすさ抜群のカジュアルワインとして有名です。
もともとランブルスコというのは黒葡萄の名前。イタリア中部エミリア・ロマーニャ州の土着品種で、この黒葡萄から造られるワインを総じてランブルスコと呼びます。
赤の微発泡(伊・フリッツァンテ)がメジャーですが、ロゼや白もあり、また発泡性の高いいわゆるスパークリングワイン(伊・スプマンテ)や、無発泡のスティルワインも造られています。
さらにその味わいも繊細だったり、リッチだったり、こってり甘口からドライな辛口まで、とにかく幅が広いのが大きな特徴。
というのも、ランブルスコという品種には多くのクローンがあり、どれもなかなか個性が立っているからです。中でも代表的なのがこの3種類。
まずはランブルスコ・ディ・ソルバーラ。
最も生産量が少なく、かつ最も高品質と言われている品種。華やかな香りにエレガントな味わいで、その繊細さを損なわないよう辛口に仕上げられることが多いです。ピノ・ノアールのような、軽めのエレガントな赤ワインがお好きな方におすすめです。
続いて、ランブルスコ・グラスパロッサ。程よいタンニンを感じられる、濃厚リッチな味わいで、甘口に耐えうるしっかりした骨格の持ち主。赤ワインに一番近い、飲みごたえのあるランブルスコです。
最後にランブルスコ・サラミーノ。最も栽培量が多く、上の2種のちょうど中間にいるバランス型。長細い葡萄の房の形がサラミに似ていることから名付けられましたが、実際に酸味が豊富なので、脂身が強めのサラミやソーセージとの相性も良いです。
更に糖度も幅広く、赤ワインのようなセッコから、デザートワインのドルチェまで。それぞれの特徴を知っておくと、「どの品種が使われているか」×「どの甘さレベルで仕上げられているか」の掛け合わせで、自分好みのランブルスコを見つけやすいかもしれません。
さて、ランブルスコの地元は前述の通り、エミリア・ロマーニャ州。ここはイタリアきっての美食を生み出すfood loverの楽園です。少し名産を挙げてみましょう。
チーズの王様パルミジャーノ・レッジャーノ、パルマの生ハム&サラミ、バルサミコ酢、揚げニョッキ、ラザニア、ボロネーゼパスタにトルテリーニパスタ。そして個人的に愛してやまないソーセージ、モルタデッラとコテキーノ…
塩気があって脂肪分たっぷりの郷土料理に、ほんのり甘い爽やか微炭酸のランブルスコ…これは合うはずです。うーん、お腹がすいてきましたね。
ワイナリーGaruti(ガルーティ)は、100年以上に渡り最高品質のランブルスコ・ディ・ソルバーラを造り続けている実力派。
ソルバーラ種の上品な味わいを堪能できるガルーティ・ランブルスコ・セッコは当店でもリピート率の高い人気商品。
更に通好みなのが、リフェルメンタート・ランブルスコ・ディ・ソルバーラ。
リフェルメンタートとは再発酵という意味で、葡萄を発酵させ瓶に詰めた後、さらに数ヶ月かけて瓶内でゆっくり再発酵させるという、70-80年代頃まで用いられた古典的な醸造法です。残糖量は僅か3g/lとかなりの辛口ですが、酵母の旨味を感じる深みのある味わいに仕上がっており、お食事を通して楽しめます。