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A road trip in Italy! 2

A road trip in Italy! 2

イタリア縦断の旅はまだまだ続きます。
情報量のやたらと多い道路標識に苦しみながらも、トスカーナ州からお隣のウンブリア州へとやってきました。

イタリアの中心に位置する、海のない州ウンブリア。華やかさはあまりないですが、雄大な自然に抱かれ、多くの重要な宗教的建築物を持つ、重みと深みのある州です。州都がペルージャ、と言うとサッカーファンはピンとくるかもしれません。

そして私にとってのウンブリアといえば、愛するモンテファルコ・サグランティーノの聖地!早速1杯と行きたいところですが、まずは人生で一度は訪れてみたかったアッシジへ向かいます。

カトリック教によって非常に重要な拠点の一つであるこのアッシジ。街のシンボルでもあるBasilica di San Francesco(聖フランチェスコ聖堂)は毎年多くの教徒が巡礼に訪れる聖地です。

この聖堂の持つ宗教的な重要性もさることながら、中のフレスコ画が息を呑む美しさ!建物は珍しい2層式で、上堂と下堂では建築様式が異なりデザイン面でも見ごたえがあります。

 
Basilica Inferiore(下堂)への入り口 / ウンブリアの牧歌的な眺めを一望


アッシジと合わせて訪れたのが、スペッロという可愛らしい村。
ここは夏の初めに、色鮮やかな花びらを地面に敷き詰めて壮大な絵を描く花祭り「インフィオラータ」が開催されることで有名です。訪れたのはシーズンオフでしたが、街のあちらこちらに花やポットが飾られていて、その面影が感じられました。

 


私たちがウンブリアで宿泊したのは、村民20人弱という小さな村トッレ・デル・コッレ。ウンブリアの典型的な村の一つと聞いて行ってみましたが、B&Bやレストランのインテリアがとにかくおしゃれでびっくり!

内情を聞くと、イタリアや他国の大都市での暮らしを経験した移住者が多いとのこと。村が備え持つ美しい中世の趣きと、外から持ち込まれた洗練されたアート感覚が上手くマッチしていて、全体的にとてもセンスの良い印象を受けました。

 


村で見つけた標識。ブエノスアイレス並みに遠いなTOKYO!


さて、ではモンテファルコ滞在中にいただいたワインはと言うと、最終日の夕食で「今が飲み頃」と勧められたヴィンテージ2010のモンテファルコ・サグランティーノが優勝です。滑らかすぎるボディに、絶妙にバランスの取れた凝縮感…熟成に伴い見事に生まれ変わったお姿に、思わず「え?本当にサグランティーノ100%?」とラベルを二度見しちゃいました。

濃厚な味わいゆえに敬遠されがちなサグランティーノですが、その豊富なタンニン量のお陰で長い熟成にもしっかり耐えうるボディを持ち、10年以上の時を経て素晴らしい景色を見せてくれるポテンシャルを持っています。

思わずうちの子のヴィンテージを調べると2016。今でも十二分に楽しませてくれますが、5年後10年後の姿が今から楽しみです!

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愛するサグランティーノ、もといウンブリアに別れを告げ、車を更に南へと走らせます。

今回は首都ローマは素通りでしたが、まさにこのあたりから自由気ままに車線変更する車が目立ちはじめ、煽り合うドライバー達に苦笑する事が増え、車内にいながらにして「南イタリアに来たなー!」という感じが楽しめます。

そしてついにナポリへ。時は金曜日午後5時。ごった返す中央駅から繁華街へ続く通りへ突入すると、まあ笑っちゃうくらいカオス。

決して幅の広くない車道には、車、スクーター、自転車、走ってる乗り物の間を悠々と横切っていく人、物売りの人、スクーターを押して歩く人…いや車道なんですけど、人多くないですかね!?

車線はあってないようなもの。辛うじて信号ルールは守られているものの、青になった瞬間のスピードダッシュも半端なく、ワンテンポ遅れると容赦ないクラクションの嵐……
この街を車で回ることは早々に諦めました。

娘達に見せたかったポンペイ遺跡への移動手段も電車をチョイス。車体はちょっとあれですが、誰かに煽られることもなく実に平和です。


ナポリとポンペイやソレントを結ぶCircumvesuviana (ヴェスヴィオ周遊鉄道)


悲劇の街ポンペイへと向かう電車
の車窓からは、西暦79年の大噴火で多くの命を奪ったヴェスヴィオ火山の姿が。悲しい歴史ではありますが、火山を見るとその選ばれしユニークな土壌をつい思い出し、ワインラバーの血が騒いでしまいます。


奥に見えるのがヴェスヴィオ火山。フタコブラクダのような山頂


火山性土壌が生み出すイタリアの銘酒と言えば、シチリア島のエトナワインを思い起こす方が多いかもしれませんが、ここカンパーニャ州にもヴェスヴィオ火山の恩恵を受けた高品質のワインが多く存在します。

よく知られているグレコ・ディ・トゥーフォも、その名の通り、土着品種グレコと火山由来の凝灰岩(トゥーフォ)土壌の抜群の相性から生み出された極上の白ワイン。ヴェスヴィオ火山の斜面で育った多彩なぶどうを使用し、スパークリング・白・ロゼ・赤と幅広く造られているラクリマ・クリスティも有名です。

野性的な美しさが魅力の赤ワインタウラージもいいですね。ナポリ名物パスタのプッタネスカに良く合うのですが、ナポリ訪問時の気温は30度超…滞在中はキンキンに冷えたグレコやフィアーノをがぶ飲みしていました。


トマトの酸味×オリーブ・ケッパー・アンチョビの塩味が癖になるプッタネスカ


さて、ナポリでの宿泊先に選んだのは、スペイン地区のど真ん中に位置するB&B。この地区の昔の悪評をご存じの方は「何故そこ?!」と思われるかもしれません。 

生のナポリが一番感じられるこのスペイン地区。ナポリがスペインの統治下にあった16世紀に、スペイン兵士たちの居住区として建設されたことがその名の由来です。

狭く長く薄暗い路地には、今も人々がひしめき合って生活しています。
所狭しと並べられた野菜や果物が路上で売られ、頭上には風にはためく洗濯物。そこを小さな幼児を背負った若いママ(もちろんノーヘル)がスクーターで颯爽と通り抜ける……
ナポリ下町のリアルな生活がビシビシ肌で感じられて、うーん素晴らしい!

 
左)SSCナポリのカリスマ、マラドーナの旗・ユニフォームやアートは街中に
右)エレベーターがないので、重い物はかごで吊るし上げるのかも


貧困層が多く暮らし、犯罪率の高さから長らく評判の良くなかったスペイン地区ですが、今は美味しい有名店も数多く並び、観光客の誘致にも成功しているように見えました。

滞在中はなるべく飾らない服装を心がけ、手に物は一切持たず(時計も外し)、常識的な範囲で行動したおかげか、特に危険を感じることはありませんでした。地元の方々の努力が実り、地区の治安自体が回復傾向にあるのかもしれません。

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カンパーニャには他にもソレントやアマルフィ海岸、カプリ島など見所は多いですが、今回の旅はここまで。

最終回はバジリカータ州から。洞窟住居で知られるマテーラのエキゾチックな美しさをお届けしたいと思います。

▶3へ続きます。

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