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ワインと温暖化

ワインと温暖化

2023年も世界各地で異常気象が多く発生した年でしたが、気候変動はワイン造りにも等しく影響を与えています。フランスやイタリアでは春の豪雨で南部を中心にべと病がまん栄し、スペインでは夏に深刻な干ばつが記録されるなど、多くのワイン産地で生産者達は過酷な現実に直面しました。2023年の世界のワイン生産量は過去62年で最低になると予想されています。

これら異常気象を引き起こす大きな要因となっている温暖化ですが、ではワイン自体への影響はというと、現時点ではそこまで悲観視されていないようです。
年末の英エコノミスト誌に、温暖化とワインについての記事がありました。1950 年以来、ヨーロッパに位置する大半のワイン産地でブドウの生育期の平均気温が 2 ℃上昇しているが、現状としては農学者の予想よりもうまくいっている。欧州原産の葡萄(ヴィニフェラ種)の高温に対する高い回復力のおかげで、例えば2022年のような記録的な猛暑の夏を経ても、バランスのとれたワインを生み出すことができている、と綴られています。

それでも温かい冬は春の芽吹きを早め、遅霜の被害を増やします。穏やかな気温のおかげでブドウを食い荒らす害虫は冬を乗り越えやすくなり、地球から与えられる栽培条件は年々厳しくなっています。干ばつや豪雨など毎年頻発する異常気象に対抗するにも、限界があるのは明らかです。


一方で温暖化による恩恵もあります。ヨーロッパの涼しい地域でもブドウが熟しやすくなり、高品質なワインが造りやすくなっています。その結果、新たに優良なワイン産地が見出されるなど、エキサイティングな側面もあります。最も温暖化が進んだシナリオにおいて、現在のボルドーのような生育条件を備えた欧州地域の割合が2100年までに18%上昇するだろうとエコノミスト誌は伝えています。


では既存のワイン産地はと言うと、「何とか持ちこたえている」と表現するのが的確かもしれません。気温上昇によって加速するブドウの成熟サイクルを踏まえ、造り手達は剪定や仕立て法を見直したり、標高のより高いテロワールに挑戦するなど、今までのやり方を見直すことが求められています。
使用する品種を見直す動きも活発で、2021年に仏ボルドーが南ヨーロッパで優勢な晩熟品種の使用を認可したのは記憶に新しいですね。環境の変化により強いクローンの選定・栽培も今後増えていくでしょう。

イタリアは2023年のワイン生産量を大きく減らし、9年ぶりに世界一の座をフランスに明け渡す見込みですが、これは量が減っただけで、質が落ちたわけではありません。むしろ、その土地に根付いた固有の品種を数多く抱えるイタリアにおいては、気候変動に対応する手が他より多くあるように感じます。長らく日の目を見なかった土着品種が表舞台にでてくる可能性も今後あるのではないでしょうか。

そんなマクロの動きも注視しつつも、私たちが身の丈で出来ることは何かというと、それは環境への負荷を最低限にするよう努め、自然との最適なバランスを模索しながら高品質のワインを生み出そうとしている造り手達を応援することだと思っています。
美味しく飲んで環境保全。スオーロ・ワインズは今年もこのポリシーに沿って邁進していきたいと思います。

出典 The Economist | Wine and climate - Global warming is changing wine (not yet for the worse) | Dec 20th 2023

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